【リアルなトラブル事例から学ぶ】不動産の契約直前、契約後のトラブル対応マニュアル

2024年11月05日

こんにちは。いつもご覧いただきましてありがとうございます。

11月に入りました。不動産業界は12月はほぼ稼働せず、契約済のお取引の決済が主になりますので、売却・購入のお客様に関しましては今月、来月が大事になります。

私に関しましては、世間一般の不動産業とはかけ離れておりまして、大みそかまで稼働していると思われます(笑)。


今回は契約前、契約した後、想像していなかった事が起きた場合の対処法を、買主側の立場でいくつか実例を交えてお話しできればと思います。

実際に私が直面して、様々な方のお力やお知恵をお借りして取り組んだケースになります。

〇契約直前のトラブル

購入条件が整い、契約日も決まり、一安心。こんな時に起こるトラブルってどんなことがあるの?


(ケース1) 直前に交通事故にあう

実際にあったケースです。契約の3日前、買主様が通勤途中で車にはねられ、入院。

命には別条はないのですが、不動産の契約はどうなるの?

①まず、買主様、買主様ご家族と購入継続の意思確認。あとは、購入を継続していくことに問題がないかどうかの確認。住宅ローン(団信)の取り扱い確認、勤務先との相談、医師にカラダの状態の確認、の3点です

②売主様へ上記①の内容を報告します。売主の意思確認も必要です。

③双方の意向をすり合わせまして、契約に関して改めて取り決めします。


(ケース2) 売主様の体調が思わしくない

ご高齢の方が、お住まいを売却するケース、少なくありません。

契約予定なのに売主様の体調が急変し、契約できるの?という状況になった場合はどうすればよいでしょうか。

①まずは、売主様のご状況を仲介を通して把握します

②次に売主様がご売却に関して、相続を考えたうえでご家族の合意のもとで行われているかどうかを確認します。

将来的に相続人になる方々に売却の合意があれば、代理人をたてて継続、となるでしょう。

無い場合、仲介を通してご家族でお話し合いいただきます。

お話し合いがこじれそうであれば、長引く可能性が高いので一旦契約は白紙にしても良いのではと思います。


〇契約後のトラブル

想定外の出来事。数多くありますが、こんな事例を・・・

(ケース1)契約後、会社から雇用契約の打ち切りを通告された。

私のお客様で実際にありました。

ローン特約期日前であれば、ローン特約を使って白紙解約、で解決する問題ですが、ローン本承認後、土地決済前にこの事態になった場合はどうすればよいでしょうか?


次が踏むべきステップになります。

①売主様へ内容を報告。

②雇用契約の打ち切りに関して、労働基準監督署に相談し妥当な内容かどうかの確認。解雇について受け入れざるを得ないか、拒んで雇用を継続できるかを把握する。

③買主様がこの状況で契約を継続し、土地を購入する意思があるかどうかを改めて確認。

②と③の内容次第で以降の動きが変わります。


雇用が継続出来て、購入意思がある場合、土地の決済と住まいの完成まで会社に居続けることができれば、計画は成就します。

雇用が終了することになり、土地購入の意思がある場合は、売主様とローンの金融機関への相談が次のステップです。早急に次の会社が決まり、雇用契約書がもらえれば、契約を延長して土地決済・住まいの完成が可能になる場合もあります。

購入意思がなくなった場合に関しましては、売主に相談して契約解除の条件の話し合い、になります。

事例と対処法のほんの一例ですが、以上になります。


もし、皆様に不動産取引で想定外の事態が発生しましても、知識と経験をもって最善を尽くすことにより必ず対処は可能です。冷静に、ご自身の意思を強く持って取り組んでいただく事が大事かと思います。

今回もご覧いただきましてありがとうございました。


                                      伊藤 英浩