リノベーションを迷う前に知っておきたい!成功の秘訣と事例
はじめに:リノベーションで建物に新しい命を吹き込む
私は、築25年のRC建築物のリノベーションプロジェクトに取り組みました。地下二階から地上三階まで5層を内外装ともに一新し、かつて病院だったこの建物をテナントビルとして再生させるプロジェクトです。私がこのリノベーションで目指したのは、ただの空間作りではなく、テナント様のブランディングの一助となるような、機能性とデザイン性を兼ね備えた空間を生み出すことでした。
課題:装飾的バルコニーを超えて、自由な形状への挑戦
既存のファサードには、ほとんど使われることのなかった装飾的なバルコニーが設置されていました。これを思い切って撤去し、そのスペースに柔らかく布が建物を覆うような独特の形状を表現することに挑戦しました。コンピューティングデザインの手法を取り入れ、プログラミングによって避難開口やエントランス、奥行きなどの法的条件をクリアしつつも、自由な形状を試行錯誤しながらファサードの表情を決定していきました。このような設計は、従来であれば多大な労力と時間を要しましたが、現代の技術を活用することで、職人さんの製作工程まで考慮した高精度なデザインを実現できました。
結論:迷う方へ伝えたい、リノベーションの可能性
このプロジェクトを通じて、リノベーションが単なる改修ではなく、建物に新たな価値と生命を吹き込むものであることを再認識しました。
特に築年数のある建物を現代的なデザインで蘇らせることで、街の風景に個性と活気を取り戻すことができます。
リノベーションを迷われている方も、こうしたアプローチを参考にすることで、建物の魅力と可能性を最大限に引き出すことができると思います。
私のコラムがリノベーションをご検討されている皆様に届き、どなたか一人でもお役に立てれば幸いです。
天野 善啓