創業50年の古い倉庫を誰もが羨むクリエイティブな空間へ蘇らせる!

2024年04月15日

今回は、インテリアデザイナーとして以前設計したオフィスデザインについてお話ししたいと思います。このプロジェクトは、創業50年の印刷会社の古い倉庫を、印刷会社のクリエイティブ部門のオフィス空間として生まれ変わらせたエピソードです。

プロジェクトの背景と目標

450㎡という大きな空間をどのようにして、コストをかけずに機能とデザインを融合させたオフィスに生まれ変わらせるかが課題でした。特に設計業務とコスト管理は切っても切り離せない仕事であり、神経を使いました。

外観と内装の融合

このオフィスは一階に位置し、外壁は古びたまま利用しました。しかし、大きな窓からは外観の古びたイメージと、インテリアのシンプルでモダンなイメージが重なり、見る人に新鮮な感覚を与えました。ここで働く方や来社される方がクリエイティブなイメージを持つことで、より良い仕事が生まれることを望みました。

天井材の再利用

このプロジェクトの最大の特徴は天井にあります。天井材には、印刷で使用された後のPS版という薄いアルミニウム材を再利用しました。ある日、建物の裏側を歩いていると、偶然にも使用済みのPS版がゴミ捨て場に捨てられているのを見つけ、これを内装材として再利用できないかと考えました。そこで、大量に廃棄される予定のPS版を集め、内装材として既存天井に貼って使うことにしました。

コスト削減と新しいデザインの融合

大きな面積を占める既存天井を利用することにより、コストを大幅に削減できました。このプロジェクトを通して、その場所にある利用できるものをなるべく再利用し、古いものと新しい素材の融合から新鮮なデザインが生まれることを学びました。

環境への配慮と応用

この考え方はオフィスだけでなく、住宅や店舗にも応用可能です。デザイナーとしては難しいテクニックですが、環境にも良い影響を与えるこのテクニックを積極的に取り入れています。特に住宅やマンションのリノベーションには、非常に有効だと考えています。

結論

これから住宅やオフィスのリノベーション(リフォーム)の検討を予定している皆様のお役に立てるように、次回もまた私の経験談をお伝えさせて頂きます。それでは、また次回をお楽しみに。

                                                                                                                                                                       天野 善啓